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…この物語は聖王のゆりかごに住むナンバーズの日常を描いたものであり、 過度な戦闘や暴力行為、萌えシーンなどは無く、まったりとした気持ちで鑑賞する事をお勧めします。 リリカルプロファイル外伝 日常 AM5 00 …此処ゆりかご内に存在するナンバーズが暮らす区画にて、今回の物語の主役である濃いピンクの髪の少女ウェンディが目を覚ます。 ウェンディは一つあくびをすると、ベッドから降り寝巻きである赤いジャージからスーツに着替え、後ろ髪を結い始める。 その最中ウェンディは黄金の鶏の事を思い出し、鶏が入ったカゴへと向かう。 「コッコちゃ~ん、今日は何個産んだッスかぁ?」 現在、黄金の鶏はコッカトライス通称コッコ(名付け親セイン)と名付けられ一日交代でナンバーズが面倒をみている。 そしてコッコは与えられた餌によって金の卵を日に2~6個産むのである。 金の卵とは、見た目が金色で出来ている卵で、食せば色々な能力を一つだけ高めることが出来る卵である。 つまり…ある者は腕力が付き、ある者は脚力が付き、またある者は頭が冴えたりするのだ。 ウェンディはカゴの中にある巣の中を覗くと、巣の中には金の卵が六個産み落とされていた。 「おぉ~!今日は頑張ったッスね!!」 そう言うとコッコの頭を撫でるウェンディ、心なしかコッコは喜んでいるように見える。 だがそれを後目にウェンディは隣に置いてあるザルに金の卵を手早く入れると新たな餌を用意、コッコに別れの挨拶をすると部屋を後にした。 ウェンディはザルを片手に食堂へ向かう最中、トーレとピンクのロングヘヤーにヘッドギアをつけた少女、セッテと出会う。 二人はAM4 00から朝練を行っていたらしく、今から洗浄してくると告げる。 ウェンディは朝からよくやるッス…といった表情で二人を見送ると食堂へと向かった。 AM5 20 ウェンディは食堂に辿り着くと、厨房ではガジェットが朝食の用意を行っていた。 ゆりかご内のガジェットは防衛戦やゆりかごの修復作業、更に艦内の清掃や厨房での調理まで多彩な行動が可能で、 数キロメートルもあるゆりかごにとっては無くてはならない存在となっていた。 ウェンディは朝食を受け取り席に座るなり食べ始めているとチンクとノーヴェが仲良く現れ、 それを皮切りに次々とナンバーズが姿を現し、最後は洗浄しに行っていたトーレとセッテが姿を現す。 しかしその間にもウェンディは食事を済ませ片付けているとトーレに呼び止められる、どうやら金の卵の件のようだ。 AM6 00 メンバーはそれぞれ食事を終えると一つのテーブルに集められる。 テーブルの中央には金の卵が入ったザルが置いてあり、トーレはまず今日の世話係であるウェンディに卵を一つ選ばせる。 コッコの世話係を務めている者は必ず一つ貰える取り決めがあり、ウェンディは慎重に金の卵を選ぶ。 何故ならばどの卵が、どの能力を上げる物なのかは見た目では分からないからである。 金の卵の効果はランダムで与えられた餌により卵の数や効果の具合が変わる為、運的なものが多く含まれている代物なのである。 暫く考えたウェンディは金の卵を一つ手にする、そしてナンバーズは残りの金の卵の分配方法を相談し始める。 此処には居ないウーノとクアットロは自分達は戦闘用では無いからと自ら辞退している為、此処にいる残り八名で分配する事に。 そして金の卵は全部で五個、否応無く三人は口にする事は出来ない。 ではどの様に分配するか議論を始めようとする中、トーレが手を挙げ一つ提案を述べ始める。 「さて…私から提案があるのだが、この後行われる訓練の一つに模擬戦がある、その模擬戦の勝者順に渡すのはどうだろう?」 「異議あり!トーレ姉!!」 トーレの提案に立ち上がり指を指すノーヴェ、その理由とは一昨日の事である。 その日、コッコは二個しか金の卵を産まなかった、そのうちの一つは世話係に、そして残り一つを巡って模擬戦が開始され、結果的に戦闘力に勝るトーレの一人勝ちとなった。 つまりこの提案はトーレがナンバーズの中で一・二を争う実力者であるが故に必ず金の卵を得られる方法である為、平等では無いとノーヴェは熱く主張した。 「つまりこの提案はトーレ姉の陰謀が詰まっているんだ!!」 『なっなんだってー!!』 ノーヴェの台詞に乗っかる形で驚くセインとウェンディ、その中ノーヴェに目を背け舌打ちをするトーレ、どうやら図星のようである。 ならばみんなが納得する方法は無いか模索していると、茶色のロングヘヤーにカチューシャが印象的な少女ディードがゆっくりと手を挙げる。 「あの……くじ引きとかどうです?」 『ソレダ!!!』 ディードの提案に一斉に指を指すナンバーズ、思わぬ行動にビクッ!と反応するディード。 早速メンバーはクジを作り【はずれ】を引いた者が金の卵を食せない事となった。 そしてそれぞれがクジを引き渡り、辺りに緊張が走る中、一斉にクジを開くナンバーズ。 結果、トーレとセインとディエチが貧乏くじを引く事となった。 それぞれが喜び悲しんでいる中、セッテがトーレに金の卵を差し出す。 「トーレお姉様どうぞ」 「いやそれは勝者たるお前の物だ、それに敗者には敗者の矜持がある」 「………覚えておきます」 そのやりとりを聞き、とてもでは無いが自分優勢の提案を出した人物とは思えない…と目を細めて思うウェンディであった。 AM8 30 食事を終えたナンバーズは早速訓練所で訓練を行う事となった。 今回の訓練内容はスリーマンセルによる模擬戦、チンクはそれぞれの組み合わせを読み上げていく。 組み合わせはトーレとセッテとディエチ、オットーとウェンディとディード、最後はチンクとノーヴェとセインである。 チンクが組み合わせを読み終えると其処にはセインの姿は無く、それに気が付いたトーレは怒り心頭といった様子であった。 「セインめ、またサボる気だな!ウェンディ!ひとっ走り行ってセインを捕まえてきてくれ!!」 「えっ?私がッスか?!」 ウェンディの答えに頷くトーレ、ウェンディが持つライディングボードはこの広いゆりかご内では有効な移動手段だと語る。 ウェンディは頬を掻きつつ了承しライディングボードに乗ると、セインを探しに行くのであった。 「…でも何処に居るんッスかね、セイン姉…」 ライディングボードの上であぐらをかき腕を組むウェンディ、取り敢えず何も手掛かりが無い為、自分達が住む区画へと赴く事に決めた。 AM8 45 ウェンディは自分達が住む区画へ辿り着くと、其処ではガジェットが清掃に精を出している姿が見受けられた。 そしてセインの部屋に辿り着くと、部屋の中では叩きを持ったガジェットI型が清掃していた。 いくら何でも清掃中の部屋の中にセインが居るハズがないっと考えたウェンディは、次の移動場所にスカリエッティの施設を選び赴く事にした。 今現在スカリエッティの施設のモニターには、先日行われたガジェットII型の飛行実験の様子が映し出されており、 その実験を腕を組みながら見守るスカリエッティとデータを纏めているウーノがいた。 其処にウェンディがボードを片手にやってくる。 「ドクター、セイン姉見なかったスか?」 「セインかい?見てないな」 それを聞いたウェンディは頬を掻き、他に行きそうな場所は無いか模索していると、スカリエッティが言葉を口にした。 「やれやれ…セインはまた逃げ出したのかい」 「そうなんッスよ!探すコッチの身にもなって欲しいッスよ…」 「…あの子は自分の能力を気に入っていますからね」 突然変異によって得られた能力ディープダイバー、その効果は無機物に潜行し自在に通り抜けることが出来る。 その為セインは活発な子になったのかも知れないとウーノは語った。 ウェンディはセインを見かけたら連絡して欲しいとスカリエッティに告げるとライディングボードに飛び乗りその場を後にする。 その忙しなさはまるで、嵐のような感覚を覚えるスカリエッティであった。 AM10 35 ウェンディは暫くライディングボードを進めていると通路を歩いているルーテシアとゼストの姿を発見し声をかける。 「ルーお嬢、ゼストのオッサン、セイン姉見なかったッスか?」 「…セイン?見ていない」 「マジッスか!参ったなぁ~」 頭を掻きながら困惑するウェンディ、その様子にゼストがレザードの施設に居るのではないのかと進言する。 その言葉に腕を組み考え込むウェンディ、だがレザードの施設にセインが興味を持つ物なんかあったか… そう言えば先日盗んだ設計図で何かを造っていた事を思い出したウェンディは、ライディングボードを走らせたのであった。 「忙しない奴だ」 「そうね………」 そう一言残しルーテシアは通路を歩き始めていた。 AM11 00 ウェンディはレザードの施設の入り口に辿り着くと其処にはレザードと談話しているセインの姿があった。 その姿を見たウェンディは指を指し叫ぶように呼んだ。 「あぁ!!こんなとこに居たんッスかセイン姉!トーレ姉がカンカンッスよ!」 「ゲッマジで?仕方がないな、それじゃ博士またね」 そう言って手を振るとライディングボードに飛び乗るセイン、 その様子を呆れた表情で見つめているレザードを後目にウェンディは一路訓練所へと進路を取った。 「ところでセイン姉?博士と何話してたんッスか?」 「ん~?あぁ、ベリオンの事~」 聞き慣れない言葉に首を傾げるウェンディに応えるセイン。 ベリオンとはレザードが作成しているゴーレムの名で新たな戦力であると。 「そろそろ計画も最終段階に入るんじゃないかな」 「って事はそろそろ私らの出番ッスね」 セインは頷くと腕が鳴る…そういった表情を表すウェンディにであった。 そして訓練所に戻ったセインはトーレにこっぴどく怒られ、更に機能不全ギリギリまで訓練を受けさせられたのであった。 「し………死ぬかと思った……」 「訓練をサボろうとした罰ッスよ」 PM6 00 訓練を終えたウェンディとセインの二人は一旦部屋へ戻り、 ウェンディはコッコに餌を与え洗面具を手にすると、その足で温水洗浄室・通称風呂場へと向かっていた。 そしてのれんに‘銭湯美人’と書かれた風呂場に辿り着くと、入り口付近をウロウロしているノーヴェと出会す。 二人はノーヴェの行動に首を傾げつつも声を掛けてみる事にした。 「何してるの?ノーヴェ」 「えっ?あぁ、風呂…入ろうと思ってな」 「入ればいいじゃないッスか」 「いや…オットーが先に入っているんだ…」 ノーヴェは顔を赤く染め、ぼそぼそと話し出す。 二人が此処に来る前にノーヴェは風呂に入ろうと向かったところ、オットーが先に入っていった処を目撃したという。 しかしウェンディは首を傾げあっけらかんとした表情で更に問い掛ける。 「いや…それが何なんっスか?」 「えっ?!いや…だってアイツ…男性型だろ?」 そう言うと更に赤く染めるノーヴェ、なぜ自分がこんなに恥ずかしがっているのかは分かっては居ないようである。 それを後目にウェンディはあっけらかんとした表情で話し始める。 「何言ってんスか?オットーは女性型ッスよ?」 「えっ!?そうなのか!?」 驚きの表情を見せるノーヴェに対し腹を抱えて笑うセイン。 どうやらオットーが女性型だという事をノーヴェは教えられては居なかったようだ。 恐らくコレはクアットロのイタズラと考えるウェンディに対し、イヤらしい笑みでノーヴェの肩を抱き話しかけるセイン。 「全く~、一体どんな想像をしてたの~?」 「っ!!!!!」 セインの一言に更に顔を真っ赤に染め上げるノーヴェ、 その反応に面白みを感じたウェンディもまたセインと同様な笑みを浮かべ二人は座り込み話し込む。 「そりゃあ、きっとアレッスよ!」 「うんアレだよね!」 {以下妄想シーン} …ノーヴェは訓練の汗を流すべく風呂場に向かい、脱衣場にてスーツを脱ぎタオルで前を隠すと扉に手をかける。 すると扉の前にはオットーが一糸纏わぬ姿でその場に佇んでいた、どうやら洗浄も終わり浴室から出ようとしたようである。 しかしノーヴェはオットーの姿に思わず目を背け顔を真っ赤に染める。 「わっ悪い!入っているとは思わなかったんだ」 「別に…僕は気にしないよ」 「オットーが気にしなくてもアタシは気にするんだよ!……なんかついてるし」 そう言うとオットーの体をチラチラと見るノーヴェ、オットーの体には自分には無い明らかに異質なモノが付いていた。 だがオットーは気にもとめず無表情のまま答える。 「問題はない、男性型なら誰もが付いているモノだから」 「そっそうなのか?」 「うん、なんならもっと近くで見てみる?僕は構わないよ」 そう言うと徐々に近づくオットー、そしてノーヴェは――― {以下妄想シーン終了} 「みたいな!」 「エロい!エロすぎッス!セイン姉!」 「なぁに、ホントにエロいのはノーヴェの頭の中だって!きっと今の私より――」 っといかがわしい妄想に盛り上がる二人、だがその二人の後ろから凄まじい殺気を感じ顔を向ける。 後ろでは先程とは異なった怒りで真っ赤に染まり、金色の目は真っ赤に輝き出し指を鳴らすノーヴェの姿があった。 二人は青ざめながらもノーヴェに謝るが、その声はノーヴェの耳には届かなかった…… 風呂場の脱衣場にノーヴェが怒り肩でドガドガと音を立てて現れ、その後ろにはタンコブを一つ拵えた二人がトボトボと力無く現れた。 ノーヴェは怒りのままにスーツを脱ぎ捨てその足で浴室に向かい 二人もまたスーツを脱ぎタオルで前を隠しつつ浴室へと赴いた。 浴室は二人を正面に見て、左に壁に大きな山が描かれた広い浴槽があり、右側にはシャワーとカランが付いた洗い場が連なっている。 そして浴槽にはトーレとセッテが浸かり、脱衣所近くの洗い場ではノーヴェが体を洗っており、奥ではディードがオットーの背中を流していた。 二人は空いている席に座ると体を軽く洗い流し浴槽へと向かう。 そして足からゆっくり浸かっていき頭にタオルを乗せると――― 『ふぃぃぃぃ~~~~……』 二人は今日の疲れを吐き出すように息を吐く、そしてセインは辺りを見渡しているとトーレの胸元に浮く二つのモノに目が向く。 そして自分の前を見るとトーレとは異なり、浮いているモノが見当たらず大きくため息を吐く。 セインの様子を見たトーレはソレを腕で覆い隠すと顔を赤く染め、問い掛けて来る。 「なっなんだ一体!!」 「べっつにぃ~~~」 トーレの問い掛けを後目に今度は隣にいるウェンディを見つめる。 ウェンディもまたトーレ程ではないが、セッテ並のモノを持っていた。 するとまた大きくため息を吐き、顔の下半分を浴槽に沈めブクブクと泡立てる。 何だろう、この敗北感…訓練とは全く異なるこの胸の奥から湧いて出てくる感じ… 別に悔しくないハズ、そう悔しくないハズなんだ… だいたい、戦闘機人である私達には不要なモノのハズなんだ… そうだ!トーレ姉さんみたいなモノを持っていれば戦闘に支障をきたすハズ!! ……アレ?トーレ姉ってアレで不便な事ってあったっけ?? …イヤ!ある!絶対あるハズだ!!大体……… そんな事をグルグル考えていると、脱衣場の扉が勢い良く開く。 其処にはこれ見よがしに胸を張りモデル歩きをするクアットロの姿であった。 セインは未だ顔半分を浴槽に浸けているとクアットロと目の合う、するとクアットロはセインの胸元に見ると鼻で笑わる。 その反応にセインは理由も無く腹が立てる、するとウェンディがある計画を思い付いたと寄ってきた。 ウェンディの計画とはクアットロが体を洗っている隙に石鹸を置き、足を滑らせて恥を掻かせるというものである。 ウェンディの計画に親指を立て応えると、セインは早速ディープダイバーを使って潜行し、セインが浸かっていた場所にはタオルだけが浮かんでいた。 セインはペリスコープアイを頼りに使われていない石鹸を探し出し、それをクアットロが座る洗い場の後ろに置く。 そしてセインは元の位置に戻ると頭にはビショビョになったタオルが乗っかっていた。 そしてセインとウェンディはクアットロの無様な姿を観察する為見つめていると、 クアットロが背中の泡を落とす為、わざわざ手間の掛かるカランで洗い流し始めた。 するとセインが置いた石鹸が流した湯によって滑り出しノーヴェの後ろの位置に止まる。 予想外の出来事にセインとウェンディが目を見開いていると、丁度洗い終わっていたノーヴェが席を立ち、一歩踏み出した瞬間――― 「うああっ?!ギャンっ!!」 ノーヴェは物の見事に石鹸を踏み、足を高々と上げ後頭部を強打した。 あまりの痛みにノーヴェがのたうち回っている中、浴槽に浸かっているのに青ざめた顔の二人が静かに後にしようとしていた。 「つぅぅぅぅ!!誰だよ!こんな所に石鹸置いたの!!」 「其処でコソコソしている奴だ」 「なっ?!何でバラすのトーレ姉!!」 先程のお礼とばかりにセインの悪行をバラすトーレ、その事に必死に抗議していると後ろに先程と同様の殺気を感じた二人。 二人はゆっくりと振り向き見上げると其処には先程と同様、目を赤く輝かせ怒りに満ちた表情で指を鳴らし、 更に髪がふわりと逆立ち、こめかみに血管を浮かばせているノーヴェの姿があった…… 「フンッ!!」 怒りに満ちた表情で浴室を後にするノーヴェ、そして浴槽には頭にタンコブを二つ拵えたセインとウェンディが浮かんでいた。 二人は頭を押さえつつ起き上がると、二人の間に割るようにクアットロが浴槽に入り、二人の耳元で囁く。 「お馬鹿なセインちゃんにウェンディちゃん…」 『っ!!!!』 クアットロは不敵な笑みを浮かべ奥へ進むと、二人は振り向きクアットロを睨みつけていた。 どうやらクアットロは二人の悪巧みに気が付いていたらしい、だからカランで体を流していたようだ。 二人は体はさっぱりしたものの、気持ちはスッキリしないので食事で解消しようと浴室を出る事にした。 脱衣場ではチンクとディエチが二人と入れ替わる形で浴室へ向かい、 着替え終わったノーヴェがマッサージ機に揺られており、 ディードが髪を乾かしている間にオットーは扇風機の前で「あ゛~~~~~」っと遊んでいた。 セインとウェンディはバスタオルで体を拭き、体に巻くと脱衣場に存在する冷蔵庫へと向かう。 冷蔵庫の中には、コーヒー牛乳やフルーツ牛乳、炭酸飲料やスポーツ飲料が冷やしてあり、 セインはフルーツ牛乳、ウェンディはコーヒー牛乳を手にすると、鏡の前で仁王立ちをし左手を腰に当て一気に飲み干した。 『っっぷはぁぁ~~!』 訓練で多くの汗を掻いた後に、更に浴槽に浸かる事で体内の水分を限界ぎりぎりまで絞り上げたこの体には格別なものがあった。 そして先程まであった胸の奥のもやもやも吹き飛び、髪でも乾かそうとウェンディはドライヤーに手を伸ばした瞬間、扉が勢い良く開く。 「しっかりしろ!傷は浅いぞ!!」 其処からセッテを担いだトーレが飛び出してきた。 どうやら浴槽で二人は我慢比べをしていたらしく、トーレに負けじとセッテは我慢していたのだが、 体内の水分が切れ限界を超えオーバーヒート…いや湯あたりを起こしたらしく、トーレはセッテに目を向けると浴槽で浮かんでいたようなのである。 トーレはオットーが遊んでいた扇風機を奪うとセッテに与え、自分もまた団扇で扇いでいた。 オットーは取られた扇風機をジッと見つめていると、ディードに早く着替えるように促され、いそいそと着替え始める。 そしてウェンディは髪を乾かし終え着替える頃、セインはトーレとともにセッテの面倒見ていた。 するとウェンディが代わりにセッテの面倒を見ている間に着替える事を促すと、二人は着替え始め それが終えてる頃にはセッテの体調も良くなっていた。 そしてセインとウェンディの二人は風呂場を後にしたのであった。 PM7 25 ウェンディは自室の部屋に置いてあるコッコの面倒を見ているとセインに食堂に誘われ 一緒に向かうと食堂ではガジェットが夕食の支度に追われていた。 二人は食事を受け取り空いている席を探していると、一つのテーブルに目を向ける。 其処にはレザードとスカリエッティが面と向かって座っており、スカリエッティから見て左隣にはウーノ、右隣にはトーレとセッテが食事を行っていた。 そしてレザードから見て右隣には髪を下ろしたクアットロ、左隣にはチンクが座っており、更にチンクの左隣にはノーヴェが座っていた。 スカリエッティとレザードは未だ完成見ぬ“鍵”の製造について食べながら議論しており、“鍵”の製造の難しさを痛感しているようである。 その会話を隣で聞くウーノとクアットロもまた“鍵”について議論を交わしていた。 そしてチンクとトーレはノーヴェとセッテともに戦闘について議論していた。 随分と熱く語っているようで明日の訓練の内容やフォーメーションなどを決めているようである。 二人は適当に空いている席に座ると感想を述べる 「……あの輪には入りたくないッス…」 「んじゃあっちはどう?」 そう言って持っているフォークである方向を指すセイン。 ウェンディはその方向に目を向けると其処にはルーテシアを中心に右隣にゼストそして左隣にアギトが座り、 そして対面席にはオットーを中心に左隣にディードそして右隣にはディエチが食事を行っていた。 ルーテシア、ゼスト、オットー、ディードそしてディエチは一言も喋らず黙々と食事しており、 心なしかアギトはその重苦しい空気に苦しんでいるように見えた。 「アッチもアッチで地獄ッスね……」 「うん、アギト可愛そうに……」 そうセインが考えているとウェンディとアギトと目が合い思わず呼び寄せる。 アギトはウェンディに呼び出されたとルーテシアに告げ、食器を持って二人の場所へ向かう。 「ウッス、アギトも大変ッスね~」 「だぁれも一っ言も喋らないね、あの輪は……」 「あぁ、でもルールーはアレで楽しんでるみたいなんだけどな」 アギトの言葉に目を丸くする二人、アギトの言い分はこうだ。 ルールーは一緒に食べてくれるだけで十分楽しんでいると、そしてゼストもまた同様であると。 そしてオットーとディードもまた同様で、同じ最後発組であるセッテはトーレとよく一緒にいる為、 二人は同じくよくルーテシアといるディエチへと集まり、結果的に似たもの同志が集まったという事になったという。 「って事はオットーとディードもあの状況を楽しんでるのかぁ」 「何となくだけどな……つうかソレはそっちの方がわかんだろ?」 「いや…あの二人ノリが悪いから苦手なんっスよ……」 まぁ、悪い奴じゃないと付け加えるように話すウェンディ。 最後発組の教育はクアットロが行った為か、感情が乏しく機械に近い感じである。 尤もそれを容認したのはレザードのようではあるが… だがそれでもディエチやルーテシアと仲良くなっているようなので安心していると今度はセインが語った。 「まぁウチらみたいによく喋る奴らは少ないみたいだけどね」 「そうッスね……」 「まぁ……な」 三人は深いため息を吐きつつも食事しながら談話を続けていた。 PM11 00 自室に戻りコッコの世話をしていたウェンディは、明日のコッコの世話の番であるディードの部屋へカゴを持って向かう。 その道中、ノーヴェの部屋から声がするのでウェンディは伺ってみると、 部屋の中では白いタンクトップに黒い短パン姿のノーヴェと、全身縦縞模様のパジャマを着たオットーが格闘ゲームで遊んでいた。 戦況はオットーが優勢で、熱くなっているノーヴェの攻撃を防ぎつつ、冷静なオットーは的確に攻撃を決めていた。 「だぁ!また負けた!!もう一回だ!もう一回勝負!!」 「……良いよ」 そう言って新たなキャラクターで挑むノーヴェ、どうやらカモにされている様子であった。 次にトーレとセッテの部屋を覗いてみると、戦闘スーツが無い事に気が付く、どうやら食事後すぐ訓練を行っているようである。 「二人ともよくやるッスねぇ」 そう言って足を進めるウェンディ、ディエチとセインは既に寝ているらしく、 ディエチはオレンジのジャージ、セインに至っては緑の怪獣の着ぐるみを着ていた。 そして白いジャージ姿のチンクは明日の訓練のメニューを纏めており、 ウェンディの目的であるディードは白いパジャマで明日の用意をしていた。 ウェンディはディードの部屋に入りコッコを渡すと足早に部屋を後にした。 PM11 20 ウェンディは一つあくびをするとベッドに潜り込み眠りについた。 「やはり…風呂は倭国式に限る……」 AM1 15 風呂場の浴槽にはレザードが一人、湯に浸かっていた…… 目次へ オマケへ
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Strikers May Cry:2008/08/06(水) 21 08 01 ID g3ny6sBU 魔道戦屍 リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 第十三話 「脱出(前編)」 「うおらあぁぁぁぁあっ!!!」 少女の澄んだ声が響き渡り、同時に彼女の繰り出した鋼の蹴りが目標となった青白き異形に叩き込まれた。 人型を呈した異形の頭部に、少女の身体が独楽の如く回転し遠心力をたっぷり込めた鋼鉄の足先が蹴りを繰り出して突き刺さり深くめり込む。 少女の体重と跳躍そして高速の回転動作の力を乗せた蹴りの威力は凄まじく、異形の身体はその衝撃に耐え切れず即座に崩壊。 人外の化け物の身体は粉々に砕け散り、ガラスのような結晶となって宙に散った。 オーグマン、それがこの滅びた異形の呼称であり分類である。 異形の化け物を砕き殺した赤毛の少女は勝利の余韻に酔い痴れることもなく、蹴りの勢いをそのまま利用して着地と同時に加速、脚部のローラーブーツ“ジェットエッジ”が軋みを上げて疾走した。 彼女の相対した異形の敵は今しがた滅ぼしたこの一体だけではない。 離れた場所からこちらに狙いを定めた砲門が唸りをあげて砲火を開放する。 無数のランチャーが推進剤の軌跡を残しながら高速射出、着弾と同時に炸裂して爆炎を上げ凄まじい破壊の歌を響かせる。 少女は自身の能力で作り出した空を駆ける道“エアライナー”の上をローラーブーツの最大加速で駆け抜けて火の雨を掻い潜った。 容赦なき敵の攻勢に思わず彼女の口からは毒が漏れる。 「チキショウ! これじゃキリがねえじゃねえか!!」 突如として現れた敵の攻撃に仲間と分断され、少女はたった一人で異形の敵の只中を駆け抜けていた。 少女の名はノーヴェ、戦闘機人ナンバーズの9番である。 オーグマンの奇襲によって、他のナンバーズとはぐれたノーヴェは脱出の為に地下最深部にある緊急用脱出区画へと一人で向かっていた。 だがノーヴェは運悪く、資材搬入用通路で大量の敵に囲まれ窮地に陥る。 ノーヴェは、ランチャー化した両手を持つオーグマン“70mmフィンガーズ”が放つランチャーの雨の中を縫うように駆けて回避。 爆炎にボディスーツのあちこちを焦がされながらも直撃だけは避けて反撃の機会を伺う。 そんなノーヴェの眼前に今度は鎌の手を持つオーグマン“デス・サイズ”の振るう凶刃が宙に鮮やかな刃の軌跡を残しながら迫る。 狙うは無論ノーヴェの白く美しい首筋、異形の刃が鮮血を求めて高速で踊った。 「はぁっ!!」 ノーヴェがその澄んだ声で発した掛け声と共に喉元に迫った凶刃を跳躍して回避。 跳躍の慣性に従いノーヴェは空中で縦方向へ回転、逆さになった姿勢で手のガンナックルを使い至近距離からオーグマンの脳天を撃ち抜く。 閃光と共にオーグマンの頭が砕け散り、身体共々青白い結晶となって宙へ消えた。 ノーヴェは宙でそのまま新たなエアライナーを形成、着地して次なる敵へと照準を定めようとする。 だが、遂に敵に魔の手が彼女に迫った。 ノーヴェの進行方向の先に、まるで先読みしたかのようにオーグマンの放ったランチャーが殺到。 この狭い空間ではエアライナーを駆使した彼女の回避にも限界がある、敵の数が多ければなおさらである。 数発のランチャーが迫る光景にノーヴェはその金の瞳を大きく見開く。 まるで世界がスローモーションになったような錯覚、極度の緊張と集中が生命保全の為に活動して脳内の情報処理を加速。 ノーヴェは足元に展開していたエアライナーの軌道を修正、急激なカーブを作り出しランチャーの効果範囲から回避しようとする。 戦闘機人の少女は強烈なGを全身に感じながら強引に進行方向をシフト。だが時既に遅し、彼女が安全圏まで達する前にランチャーは盛大に爆発した。 舞い上がる爆炎、散華する破片、少女の身体はまるで人形のように吹き飛ばされる。 「きゃあぁっ!!」 普段のノーヴェの口からは決して漏れないような可愛らしい悲鳴が上がり、その身体が床の上を面白いように転がった。 少女の身体は床の上を転がり、強い衝撃に大きな音を立てて壁に勢い良くぶつかる。 「かはぁっ!」 硬い通路の壁に打ち付けられて全身を強打し、少女は僅かに血の混じったものを吐き散らす。 鮮やかな朱が少女の白く美しい顎先から首筋を汚し、そのしなやかな肢体もまたあちこちが裂けたボディスーツの合間から流れる鮮血で飾られた。 数的優位、圧倒的な多勢による蹂躙にノーヴェは力なく倒れ付す。 「くそっ……」 苦痛に喘ぎ、荒い吐息を吐き漏らしながら少女は震える足で必死に立ち上がろうと足掻く。 常人ならば骨格に致命的な破損をもたらしかねない衝撃に耐えただけでも大したものだが、既に彼女から戦闘力は削がれている。 しばらくの間は高性能な人造三半規管も役には立つまい、そしてそれが機能を取り戻した時にはもう遅いのだ。 倒れたノーヴェに情など欠片も持たぬ異形の怪物共は死を与えようと迫る。 向けられた砲門は死を連想させる黒き穴を覗かせ、寸分の狂いも無く少女に向けられた。 無数の砲弾が彼女を吹き飛ばすまで10秒とかかるまい。 喉元まで迫った死の気配に、ノーヴェは背筋に凄まじく冷たい感触を覚え涙した。 (ヤダ……死にたくない…) 透明な涙の雫が頬を伝い鮮血と交じり合って床に滴る。 いくら戦う為に生まれた戦闘機人とて感情もあれば恐れもする、取り分け“死”という生命保全の為の重大な要素に対する恐怖は大きい。 ノーヴェは逃れ難い死の予感に涙しながら力なく救いを求めた。 「助けて…チンク姉………グレイヴ…」 その言葉の残響が空気に溶けるのとオーグマンが砲火を放つのはまったくの同時だった。 燃焼・気化した推進剤が宙に白い軌跡を残しながら無数のランチャーが射出、少女の身体を微塵に吹き飛ばそうと高速で迫る。 だがそのランチャーの雨がノーヴェに着弾するよりも早く、黒き影が躍った。 無数の弾頭が同時に炸裂し、施設の一角を地震のように震わせて凄まじい大爆発を起こす。 爆炎が燃え上がり、視界を覆うように濛々と煙があがる。いかに戦闘機人とてこれは過剰殺傷(オーバーキル)もいいところだ、死体など欠片も残ってはいまい。 殺戮に特化したオーグマンの思考は自然と自分達の勝利を確信する。 だが晴れた煙の向こうに見えたのは粉々になった骸ではなく、鈍色の頭蓋。 鋼鉄で作られ、数多の鉄火を詰め込んだ巨大な棺、死人が担ぐ最強の兵装がそこにあった。 不気味な髑髏のあしらわれた鋼の棺桶、死人用兵装“デス・ホーラー”が佇み、敵の集中砲火を断固として防ぎきったのだ。 そしてこの武器を扱う者などこの世でただ一人しかいない。 十字架の刻まれた黒いスーツ、彼の大きな背中に一命を取り留めたノーヴェが思わず呟いた。 「……グレイヴ」 ビヨンド・ザ・グレイヴ、最強の死人がそこに立ち棺を盾に少女を守っていた。 彼は軽く振り返るとノーヴェに優しい眼差しを向ける、それは見つめられるだけで心が芯から温かくなるようだった。 そしてグレイヴは目に前に盾代わりに突き立てたデス・ホーラーを振り上げていつものように背負うと、両手に構えた凶暴な二匹の番犬を敵に突きつける。 彼の隻眼には先ほどノーヴェに向けていた優しさなど欠片もない、あるのは壮絶な敵意と燃えるような怒り。 死人がその意思を込めて引き金を引けば、地獄の番犬が遠吠えを上げて口腔から弾丸を吐き出す。 銃声の歌が響き、銃弾の雨が降り注ぎ、オーグマン共を蹴散らす。 するとグレイヴとノーヴェの横合いから、ケルベロスの銃弾と交差するような形で閃光が駆け抜けた。 「オラオラ~! ナンバーズのお通りっすよ~!!」 なんとも陽気な声と共に、固有武装ライディングボードに乗った活発な少女、ナンバーズ11番ウェンディが現れてグレイヴを援護するように射撃攻撃を射出。 ケルベロスの銃弾と合わせて行われる十字砲火、そこにさらに巨大な閃光が貫く。 「ウェンディ、あんまり突っ込まないで。私達は後方支援なんだから」 後ろで結んだ長い髪を揺らした少女、ナンバーズ10番ディエチが長大な狙撃砲を撃ちながら姉妹にそう漏らした。 固有武装イノーメスカノンが閉所使用の為に出力調整されたエネルギー砲撃で正確無比な射撃を行いオーグマンを次々に砕く。 「はいはい、了解っすよ~♪」 ウェンディは軽く手を振りながら陽気に返事をする。 ディエチとウェンディ、二人の支援砲火は閃光の嵐とでも形容できそうな勢いで降り注ぎ、ケルベロスの咆哮と共に殲滅の宴を奏でた。 鋼鉄の被殻を持つ銃弾が、高エネルギーで構成された射撃が数多と放たれ敵を穿ち貫き破壊する。 狭い屋内で行われるこの掃射を逃れる事など叶う筈が無い、銃声とエネルギー弾の宴によって瞬く間にオーグマンの群れが掃討された。 「はい、掃除終了っす」 「敵影なし、オールクリア」 自分達の武装を肩に担ぎながらウェンディとディエチは周辺を見回した。 今まで敵がいた場所は多大な破壊の痕跡と煙そして砕け散った青白い結晶で満ちている。 オーグマンが死後に残す舞い散る結晶や砕けた床の塗装を踏み砕きながら、二人とその後ろに控えていた姉妹がノーヴェの元に駆け寄った。 「大丈夫かノーヴェ!?」 「チ…チンク姉ぇ…」 ポロポロと涙を流しながら顔をクシャクシャにしたノーヴェに隻眼の少女、ナンバーズ5番チンクが真っ先に近づいてその小さな胸に少女を抱きしめた。 「えぐっ…ぐすっ……チンク姉ぇ」 「姉が来たからもう大丈夫だ、そんなに泣くな」 チンクは優しくそう囁きながらノーヴェの赤い髪をそっと撫でてやる。 頭一つ分小さいチンクにノーヴェが抱きついて慰められているというのは、どこか奇妙な光景だった。 しかしまあ、この姉妹にとってはよくある姿に周りの姉妹もまた一時の平安を得る。 「ありゃりゃ、ノーヴェがすっかり泣き虫さんっすねぇ~」 「ノーヴェの泣き顔ってなんか可愛いねぇ~」 チンクに縋り付いて泣いているノーヴェの泣き顔を見てウェンディとセインがからかう様に笑う。 そんな彼女達に今まで泣きじゃくっていた少女は小さな姉から離れると、髪を逆立てて食って掛かった。 「う、うるせえ! 泣いてなんかいねえ!!」 「いや、いくらなんでも無理のある反論っすよ」 「っていうか、今も泣いてるし」 「うるせえうるせえ!! これはあれだ……ちょっと目にホコリが入ったんだよ!!」 「こりゃまた苦しい言い訳っすねぇ」 「言い訳になってないしねぇ?」 姉妹の物笑いの種にされて顔をトマトのように真っ赤にして怒るノーヴェ。だが彼女のそんな姿は陽気な姉と妹を余計に楽しませる。 「はいはい、そうっすねぇ~、ノーヴェは泣いてないっすねぇ~」 「よしよし、良い子良い子」 「バカにすんな~!」 ヤレヤレと言った具合に呆れた顔で小馬鹿にした様な事を言う二人にノーヴェが手をブンブン振り回して反論。 本人は本気で怒っているようだが、周りから見ればなんとも可愛らしいものだった。 そして、すっかりご立腹の彼女の頭をグレイヴが宥めるようにその大きな手で撫で始めた。 「……」 「なっ、撫でんなよ…」 ノーヴェの頬が今度は怒りではなく恥じらいで顔を赤く染まった。 比較的よくされている事とは言えど、子ども扱いされて頭を撫でられるなんて年頃の女の子には恥ずかしい。 さらに人前、それもやたらと自分をからかう能天気な姉妹の前ならばなおさらだった。 ウェンディとセインはそんな彼女をまたからかおうとするが、そこで一番年上の姉の言葉に中断させられる。 「こらお前達、あまりノーヴェをいじめるな」 「はいは~い」 「了解っす」 ウェンディとセインはチンクの言葉に諌められて冗談交じりに了承。ノーヴェはこれ以上からかわれずに済んでホッと胸を撫で下ろす。 チンクは戦いの場でも持ち前の陽気さを失わない姉妹の様子に僅かに安堵を得て緊張に固まっていた表情に少しだけ微笑を戻した。 だがそれも一瞬、すぐに心を戦闘用のそれにシフトする。 スカリエッティやウーノのいない今、彼女は現段階でのこの場の最高指揮者なのだ、感傷に浸る暇は無い。 チンク自身を含めここに集まったナンバーズは、セイン・セッテ・ノーヴェ・ディエチ・ウェンディ、グレイヴを含め系七人。 彼女のその小さな肩にはこの七人の命が懸かっている、自然と形容し難いプレッシャーが重く圧し掛かる。 この窮地を脱する為の決断を迅速に、そして何より正確に導き出さねばならない。 「よし、ではこれから脱出の作戦を説明する」 チンクの立てた作戦は、この場で二手に別れ、敵の追撃に待ち伏せを行うチームと地下最深部の脱出用ポットを確保するチームになって進むというものである。 待ち伏せを行うチームは、長い一本道の通路の特性を生かして敵を遠距離から倒す為に射撃型であるディエチとウェンディ、中距離・近距離両戦闘が可能なノーヴェ。 そして中距離で優れた攻撃力を持ち、同時に彼女らを指揮する為にチンクが残り施設内のガジェットを集めるまで時間を稼ぐ。 ポットを確保するチームにはまずその能力で先に偵察するセイン、敵の伏兵や不測の事態を考えて単騎で最大火力のグレイヴと空間制圧力の高いセッテの三人。 以上がチンク組んだチーム編成と作戦である。 作戦内容と編成を簡単に伝えると、チンクは即座に各員に指示を飛ばした。 「ではまずセイン、ディープダイバーで先に潜行して様子を探れ」 「りょうか~い♪」 「くれぐれも気を付けろよ? 敵がどこに潜んでいるか分からないんだ」 「分かってるって。んじゃお先~」 セインは極めて明るくそう言うと、ウインクしながら彼女の能力であるディープダイバーを使って床下に潜っていった。 「ウェンディ、ディエチ、ノーヴェ、使えそうなものでバリケードを作れ。ガジェットが来るまでなんとしても持ち堪えるぞ」 「アイアイサ~♪」 「了解」 「うん、分かった」 チンクの指示に頷くウェンディ、ディエチ、ノーヴェ。三人はすぐに手ごろな合金製のドアや使えそうな資材でバリケードを築き始める。 そして残る二人にチンクは向き直った。 「セッテ、地下へのルートは…」 「把握済みです、問題ありません」 「そうか」 桃色の長髪にヘッドギアを装着した長身の少女、ナンバーズ7番セッテは極めて機械的にそう答える。 この非常時にもまるで動じず、常の冷静さを保っている彼女の様子に心中で感嘆しながらチンクは隣の死人に視線を移す。 彼もまたいつもと変わらぬ冷静さ、そして絶大の信頼を預けられる優しい隻眼でこちらを見つめていた。 「グレイヴ、セッテを頼むぞ」 「……」 死人は何も言わずにただ頷く。これ以上言葉などなくとも意思は伝わるから、ただ無言で瞳で答える。 グレイヴとセッテ、無口な二人はそのまま踵を返して地下最深部までのルートへと駆け出した。 チンクは暗闇に消える彼の背中に、僅かに憂いを込めた視線を向けていた。 「チンク姉?」 「は!? なんだ!?」 ノーヴェに突然声を掛けられてチンクが慌てて返事をする。彼女のそんな様子に、ノーヴェは不思議そうに首をかしげた。 「いやさ、ちょっと気になった事があってさ…」 「コホンッ、なんだ? 言ってみろ」 チンクはわざとらしく咳をしながら息を整えると、自分より幾らか背の高い妹を見上げるように向き直った。 そしてノーヴェの口からでた言葉が自身の心をまた深く切り裂くとも知らずに。 「みんなと一緒にいないドクターとかウーノ姉はどうしたんだよ? それとクア姉も」 その言葉に、チンクの隻眼が一瞬ひどく切なそうに細められた。 彼女は見た、スカリエッティとウーノの明確な死を。それを思い出せば、戦闘用に切り替えた筈の思考がまた悲しみに塗り潰される。 ありのままの事実を伝える事などできない、今ここでスカリエッティやウーノの死を知れば確実にナンバーズ全体に動揺が走る事は眼に見えていた。 チンクは他の姉妹にもしたようにその口から辛い真実を隠す為の嘘を吐く。 「ドクターとウーノは合流できなかったんだ……きっともう、先に脱出している」 「そうなんだ」 「ああ…」 悲しみに沈みそうな心に蓋をして、チンクはそう言った。 姉妹の中でも自分の事を心から慕っているノーヴェに嘘を言うのは良い気分ではない。 チンクはその小さな胸の内に僅かな苦悩を秘め、罪悪感にチクリと痛みを感じた。 そんな彼女にノーヴェが少し不満そうな顔で言葉を続ける。 「それは分かったんだけどさチンク姉……その…どうしてグレイヴと一緒に行くのがセッテだったんだよ?」 「ん? なにか問題でもあったか?」 「いやさ……別に…あたしでも良かったじゃん」 ノーヴェはうっすらと朱に染まった顔で小さく呟くようにそう言った。 彼女のその様子にチンクは思わず苦笑する。 「なんだ? もしかして羨ましかったのか? ノーヴェは随分とヤキモチ焼きだな」 「ち、違うよ! そんなんじゃないって!!」 チンクの言葉に、ノーヴェはさらに真っ赤になった顔を横に振って否定する。 少女はいつも優しい小さな姉の少しだけイジワルな言葉に大いに慌てた。 そしてその赤くなった顔を恥ずかしそうに俯けながら、ノーヴェはポツリと漏らす。 「だってさ……あたしグレイヴに守ってもらってばっかりで………あたしだってアイツの事…守ってあげたいよ」 「ノーヴェ……」 やはりこの子は優しい、チンクは心からそう思う。 普段は粗野でやたらと攻撃的な性格だが、その芯には姉妹の誰よりも優しくて思いやりのある心が宿っている。 今すぐ頭を撫でてやりたい、と思ったが今の状況と彼女と自分の身長差を考慮して残念ながら中止した。 「大丈夫だノーヴェ、お前にも守れるさ」 「本当に!?」 「ああ、ここでな」 「ここで?」 「ああ、ここでだ…」 チンクの言葉を理解できず、ノーヴェが首をかしげる。 その刹那、ウェンディとディエチの叫びにも似た大声が割って入った。 「チンク姉~! 敵さんが来たっすよ~!!」 「援護と観測お願い!」 「分かった」 チンクがそう答えながら二人の下に行けば、そこから一本道の長い通路の先に無数のオーグマンが見える。 幅15メートル前後の通路に溢れんばかりの数のオーグマンが、こちらに向かって怒涛の如く迫り来る。 皆の背には自然と冷たいものが流れた。 「ディエチ、ウェンディ! 応戦開始!!」 「りょ、了解」 「分かったっす」 「フロアを崩落させぬように威力に気をつけろ、撃ち漏らした敵は姉とノーヴェが倒す!」 小さな姉の凛々しい指揮に冷たく凍るような恐怖が溶けた。 ディエチとウェンディはそれぞれの武装を構え、その照準を迫り来る敵影へと重ねる。 引き絞られた引き金(トリガー)に応じて高エネルギーの弾頭がオーグマンへと放たれ、閃光が空気を切り裂いた。 光の嵐とでも形容できそうな二人の弾幕が舞い敵を貫き滅ぼす。 遮蔽物のない状況で回避する術などないそれに、次々にオーグマンの身体は崩壊し青白い結晶へと変わり果てる。 だがそれでも猛攻は止まらない、圧倒的な敵の物量、数の暴力によって遂に撃ちもらされた敵が弾幕を潜り抜けて近づいてきた。 オーグマン、デス・サイズがその鎌を振るって鮮血を求め迫り来る。 しかし、それを許さぬ隻眼の少女の刃が異形の眉間を穿つ。突き刺さった刃が炸裂しオーグマンの身体を散華させた。 「ノーヴェ、二人が撃ちもらした敵は私達で叩くぞ!」 「わ、分かった!」 弾幕の雨を潜り抜けた敵にチンクの投げるダガーナイフスティンガーと、ノーヴェの手甲ガンナックルの射撃が舞う。 応戦をしながら、チンクは先ほど言いかけた言葉を続けて漏らす。 「ノーヴェ、私たちはここからでもグレイヴを守れるんだ」 「え?」 「ここで私たちが稼いだ時間だけグレイヴ達を生かせる」 「あたしがここで戦うのも……グレイヴの事守ってるって事?」 「ああ、そうだ。だから…」 チンクは両手の指全てに挟んだ大量の刃を思い切り振りかぶり超高速の投擲術で投げ放つ。 彼女の投げた炸裂刃が舞い踊り、突き刺さり抉り敵を爆ぜ飛ばす。 羽織ったコートを翻し更なる刃をその内から引き抜き手に構えながら、隻眼の少女は眼前の敵に吼えた。 「ここは一歩も通さん!!」 澄んだ声の残響が爆音と砲声に混じり響き渡った。 △ 施設の最深部、緊急時用に作られた地上射出用の脱出ポットの配置されたフロア。 そこの天井部に一本の指が突き出している。 カメラを内蔵した人の指、セインに内蔵された装備ペリスコープ・アイがフロアの安全を確認していた。 それなりの広さを有するフロア全域をカバーする事はできないが、気配がないと察してセインは安全であると判断する。 「よっと」 ディープダイバーの能力でフロアの天井を完全にすり抜けたセイン、はそのまま飛び降りて床に着地。 膝で上手く衝撃を干渉し、着地のショックを分散する完璧な着地を行いセインはフロアに下り立った。 周囲を眺めてもやはり敵の影も形も見当たらない、セインは安堵でふっと笑みを零す。 「よし、安全確認~♪ これなら最初っから皆をあたしが運んだ方が速かったじゃん…」 警戒を完全に解いたセインがそう言葉を漏らした刹那、彼女の言葉の残響と空気を切り裂くけたたましい音が木霊した。 それは紛れもない銃声。次いで彼女の感覚を襲ったのは衝撃、腹部に何かが打撃にも似た突き刺さるような違和感が生まれる。 そっと腹部を触ってみればヌルリとした感触がボディスーツ越しに手に伝わる。手のひらを見ればそこには生命の色、鮮やかな鮮血の赤に染まっている。 そして例え様の無い熱が背筋を駆け巡り脳に届いた。 「え? なに……これ?」 腹部を内側から焼くような未知の感覚にセインの口からそんな言葉が漏れた。 だが彼女の混乱など関係なく、続けてさらなる衝撃が腹部に走り、その身体を貫き鮮血を散らす。 セインの身体はあっけなく、崩れるように床に倒れ付した。 「いつっ!…うあぁぁあぁ…」 “痛い”と言ったつもりだったが言葉にならなかった。芯から湧き上がる燃えるような熱、痛みの奔流に腹から千切られるような錯覚すら感じる。 激痛と流血で力の入らぬ手足でセインが床の上で足掻き悶えた。 銃弾の衝撃と痛み、少女にとってそれはあまりに未知の感覚だった。 そして襲撃者はそんな彼女の様子を見ながら口元を僅かに歪めた声を漏らす。 「なるほど、ここで網を張っていて正解だったな」 巨大な十字架を持ち、ゴーグル上サングラスをかけた男が静かにそう呟いた。 狙撃の銃弾により血濡れで床上をのたうつ少女を、男は特になんの感慨もない濁った瞳でただ眺める。 「さて、都合良くエサができた、後続を歓迎する準備といくか…」 男、GUNG-HO-GUNSが一人チャペル・ザ・エバーグリーンの言葉に周囲に身を隠していた無数に青白い影が立ち上がる。 異形の化け物、オーグマンの群れがその身体を様々な武器へと形を変えていった…… 続く。 前へ 目次へ 次へ
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セッテ・オット・ノーヴェ(Sette Otto Nove) 放浪のグラスランナー。称号"放浪の河烏(ワンダリング・ディッパー)" そこに道があるから放浪する。なくても放浪する。 名前については 「セッテが個人名、オットが家門名、ノーヴェが氏族名」 「両親の名前を後ろに付けた」 「オットが生家の名字、ノーヴェが養家の名字」 「それぞれ友人の名前」 と本人の言う事がコロコロ変わるため由来は不明。とりあえず「セッテ」と呼んでいればいいようだ。 言動は実に適当。その場のノリでいい加減なことを言いまくるが、それなりに常識的な感覚は持っている、んじゃないかな。 かつてエルフの老人に仕えて旅をしていた。その影響なのか、水遊びが好き。 『故郷』という言葉に何かこだわりがあるらしい。 プロフィール 種族 グラスランナー 性別 男性 年齢 不明 誕生日 3月12日 身長 102cm 体重 21kg 髪の色 白っぽい茶色(脱色しているらしい) 瞳の色 焦げ茶色 肌の色 浅黒い 視力 とても良い 家族構成 不明
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魔法少女リリカルなのはシリーズ 作品情報 シリーズ公式HP http //www.nanoha.com/ 51枚 フェイト・T・ハラオウン01 フェイト・T・ハラオウン02 八神はやて&リインフォースⅡ シグナム シグナム-ユニゾン差分01 シグナム-ユニゾン差分02 ヴィータ ヴィータ-シンクロ差分 シャマル スバル・ナカジマ01 スバル・ナカジマ02 スバル・ナカジマ03 スバル・ナカジマ04 スバル・ナカジマ05 スバル・ナカジマ06 スバル・ナカジマ07 スバル・ナカジマ08 メカスバル01 メカスバル02 ティアナ・ランスター01 ティアナ・ランスター02 ティアナ・ランスター03 ティアナ・ランスター04 高町ヴィヴィオ ギンガ・ナカジマ01 ギンガ・ナカジマ02 ギンガ・ナカジマ03 ギンガ・ナカジマ04 銀河 リインフォースⅠ 闇の書の意思 シャッハ・ヌエラ ルーテシア・アルピーノ アギト Numbers No.1 - ウーノ Numbers No.2 - ドゥーエ Numbers No.3 - トーレ Numbers No.4 - クアットロ01 Numbers No.4 - クアットロ02 Numbers No.5 - チンク01 Numbers No.5 - チンク02 Numbers No.5 - チンク03 Numbers No.5 - チンク04 Numbers No.6 - セイン Numbers No.7 - セッテ Numbers No.8 - オットー Numbers No.9 - ノーヴェ Numbers No.10 - ディエチ Numbers No.11 - ウェンディ Numbers No.12 - ディード ぐぬぬルーレット
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「ぬお!?」 待機室の空気は暗く澱んでいた 一歩足を踏み入れたチンクが思わず唸るほどに 「あーあ辛気臭せー!」 ソファに寝ころがったノーヴェがヤケクソ気味に叫ぶ ノーヴェが投擲した雑誌-月刊「プロレスの友」-が部屋の隅で体育座りをしたガリューに ポコンと当る ガリューは全く無反応 よくよく見れば背中を煤けさせたガリューの周囲にはなにやら瘴気が蟠りそこだけ地獄の 最下層のごとき異界になっている 「一体どうしたというのだ?」 「アレだよ」 壁に埋め込まれたモニターを指差すセイン そこには満天の星空に舞う天馬に騎乗した騎兵の英霊とその腕の中で顔を輝かせるルーテシア 「ガリューよりはやーい!」 マイクがルーテシアの弾んだ声を拾う ガリューを包む闇が一段と濃くなった 「成程ライダーにお嬢様を取られて落ち込んでるというわけか」 「話は聞いた、星野はシベリア行きだ!」 ガラリと壁を開けてスカリエッティが出てきた 「な、ドクター!いつからそこに?ってかなぜそんなところに隠し部屋が?」 「もちろん君達を盗撮するためだ!」 即答であった 脱力し両手を床につくチンク まさにorz 「大丈夫だガリュー君、私にいい考えがある」 そのときドクターの背後に赤いロボットが見えたような気がしました(チンク談) 「むこうが乙女心をときめかせるペガサスならこちらは超合金魂を揺さぶるスーパーマシン で勝負だ!」 懐から取り出したリモコンをポチッとな ソファの下の床がどんでん返しに回転し東映メタルヒーロー御用達の側車付きオートバイが姿 を現す 「これぞガジェットの廃材を元に一晩ででっち上げたサイドファントム(レプリカ)!」 床下からかすかに聞こえるノーヴェの悲鳴をスルーして胸をはるスカリエッティ 「そういえば待機室の真下って…」 「浄化槽です」 セインの問いに淡々と答えるセッテ (ノーヴェ、お前の犠牲は無駄にはしない…) チンクは心の中で夕焼け空に笑顔を浮かべたノーヴェ(イメージ映像)に誓った 「では楽しんできたまえ」 ガリューの運転するサイドファントム(レプリカ)の側車に収まりドライブに出発する ルーテシア 「上手くいくでしょうか?」 「問題無い、仕込みは完璧だ」 黒い笑いを浮かべるスカリエッティ チンクの背筋を何かが駆け抜けた 「何をする気ですか?」 「“吊橋効果”というものを知っているかね?」 「まさか…」 再び懐からリモコンを取り出しポチッとな 道路を飛び出し谷底に向ってダイブするサイドファントム(レプリカ) 「ドクタァァァァァァァァツ!」 その後ルーテシアはバイクを見るとパニック障害を起こすようになったという
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/ ̄` / ,/ 〃 {{ ii ,ヘ ii /ヽ / ∧_||___/ ∧ ト、 _./. ∧ヾ / ∧、 | ヽ/ ∧ ヽ / ∧ >'ト、 ,! / ´ V∧ /リ / ヽ Vハ i / / / \ ./! .! | i i Ⅵ |/. / | ト、ヾ ヽ/ ! | | | | .Y! /. / i!. |`^^^ヾ''^^^| .i! i! ! i! ∧ ヾ /. / .ハ .| i! i| ハ ハ ハ Vハ / / ――十{ トx !. /|x|斗| 廾―‐ Vハ ./ / zィ笊乞ぅiミx. //ィ笊乞トミ|、 | ! ナンバー7、セッテ。 . i マ .う リ // う リ /i' i!. ! i .ハ ト. 込 ン // .込 ン /| ハ i! ここにロボ子がたくさんいると聞いて来ました。 | i∧ |ヾ /' /' i! / ii | | ハ ト. / ! ,/ ハ ii | |/∧ | \ , 、 // /. | ii Ⅵ!/. ∧ ハ \ / / / ! i! Ⅵ. /. ∧ i /r|>.. ..<ト、 / / ∧ /' ヾ' /. ∧ ∨ { 廴__ `¨´ _」 } / / ∨ / / / ∧ Ⅵ`ーi 廴_」 r‐ ´i{ .{ ∧ ./ / /. /. ハ }ノ 廴__」 | ! ハ 高町セッテ 高町十二姉妹の七女。 チンク、セイン、オットーとの4つ子で生まれた。 初出はスクデット編10日目の通信風景より。 イジューレ温泉編5日目に再登場。 ロボ子萌え。 趣味はフリスビー。 アンドロイドとか好きだが、ゾイドとかは好まない。 T-elosよりKOS-MOSの方が好み。 なのはが発明品を暴走させたのが切っ掛けで父が仕事を家庭に持ち込まなくなったが、隠されると余計に燃える性格だった為、ロボ好きになった。 将来の夢は曾祖父や父母のような科学者になってアンドロイドを作ること。祖父は鬱陶しいのでいい。 姉妹の中で一番惚れっぽく、好きな食べ物がかぶっただけで惚れる。 惚れっぽくはあるが、大抵の男はロボ子の話を熱く語るとドン退きするので、男性と付き合った経験はない様子。 やる夫に将来の夢を褒められたので惚れたっぽい。チョロい。 名前 コメント
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刻まれた歴史 戦いの記録― 古代ベルカ諸王時代 それは天地統一を目指した諸国の王による戦いの歴史 『聖王女』オリヴィエや『覇王』イングヴァルトもそんな時代に生きた王族の人間である いずれ優れた王とされる両者の関係は現代の歴史研究においても明確になっていない 握った拳に思いをのせて―― Memory;06☆「本当の気持ち」 ノーヴェ「二人ともせっかくの休暇だろ?別にこっちに付き合わなくてもいーのに」 スバル「あははー」 ティアナ「アインハルトの事も気になるしね」 スバル「そうそう」 ノーヴェ「まーそれもありがたくもるけど」「問題はさ、なんでお前らまで揃ってんのかってことだ!チンク姉だけだぞ、呼んだの!」 ウェンディ「えー、別にいいじゃないッスかー」わふわふ ディエチ「時代を超えた聖王と覇王の出会いなんてロマンチックだよ」 ディード「陛下の身に危険が及ぶことがあったら困りますし」 セイン「護衛としては当然」 チンク「すまんな、ノーヴェ。姉も一応止めたのだが」 ノーヴェ「うう」「まー、見学自体はかまわね―けど、余計なチャチャ入れんなよ?」 「ヴィヴィオもアインハルトもお前等と違っていろいろ繊細なんだからよ」 ウェンディ・ディエチ・ディード・セイン「は――――――い!」 ヴィヴィオ「ノーヴェ!みんなー!」「あれれ?スバルさんとティアナさんまで!」 リオ「こんにちはー!」 ノーヴェ「あー、やかましくて悪ィな」 ヴィヴィオ「ううん、全然!」「で、紹介してくれる子って?」 ノーヴェ「さっき連絡あったからもうすぐ来るよ」 ヴィヴィオ「何歳ぐらいの子?流派は?ありがとオットー(ハートマーク)」 ノーヴェ「お前の学校の中等科の一年生。流派はまあ……旧ベルカ式の古流武術だな」 ヴィヴィオ「へー!」 ノーヴェ「あとアレだ。お前と同じ虹彩異色」 ヴィヴィオ「ほんとー!?」 ティアナ「まあ、ヴィヴィオ座ったら?」 スバル「そうそう」 ヴィヴィオ「あ…そうですね!」 アインハルト「失礼します。ノーヴェさん、皆さん。アインハルト・ストラトス参りました」 「すみません、遅くなりました」 ノーヴェ「いやいや、遅かねーよ」「でな、アインハルト、こいつが例の」 ヴィヴィオ「えと…はじめまして!ミッド式のストライクアーツやってます高町ヴィヴィオです!」 アインハルト『この子が―』「ベルカ古流武術アインハルト・ストラトスです」 『小さな手、脆そうな体。だけどこの紅(ロート)と翠(グリューン)の鮮やかな瞳は 覇王(私)の記憶に焼きついた間違うはずもない聖王女の証(しるし)』 ヴィヴィオ「あのアインハルトさん…?」 アインハルト「――ああ、失礼しました」 ヴィヴィオ「あ、いえ!」 ノーヴェ「まあ、二人とも格闘技者同士。ゴチャゴチャ話すより手合わせでもしたほうが早いだろ。 場所は抑えてあるから早速行こうぜ」 区民センター内 スポーツコート ヴィヴィオ「じゃあ、あの、アインハルトさん!よろしくおねがいします!」 アインハルト「――はい」『諸王戦乱の時代。武技において最強の王女がいた、名をオリヴィエ・ゲーゼブレヒト。 のちの『最後のゆりかごの聖王』。かつて『覇王イングヴァルト』は彼女に勝利することができなかった』 回想シーン ノーヴェ「それで時代を超えて再戦……か?」 アインハルト『覇王の地は歴史の中で薄れていますが、時折その血が色濃く蘇る事があります。碧銀の髪やこの色彩の虹彩異色、 覇王の身体資質と覇王流(カイザーアーツ)。それらと一緒に少しの記憶もこの体に受け継いでいます。私の記憶にいる「彼」の悲願なんです。 天地に覇をもって和を成せるそんな『王』であること。弱かったせいで、強くなかったせいで、彼は彼女を救えなかった……守れなかったから。 そんな数百年分の後悔が展私の中にあるんです。だけど、この世界にはぶつける相手がもういない。救うべき相手も、守るべき国も、世界も……!」 ノーヴェ「――いるよ。お前の拳を受け止めてくれる奴がちゃんといる。 アインハルト「――本当に?」 回想シーン終了 アインハルト『この子が覇王の拳を、覇王の悲願を受け止めてくれる――?』 ノーヴェ「んじゃ、スパーリング4分1ラウンド。射砲撃と拘束(バインド)はなしの格闘オンリーな」「レディ、ゴー!」 コロナ「ヴィ…ヴィヴィオって変身前もけっこう強い?」 リオ「練習がばってるからねぇ―」 アインハルト『まっすぐな技。きっとまっすぐな心。だけどこの子は。だからこの子は。私が戦うべき『王』ではないし』 ヴィヴィオ「す……凄いっ!!!」 アインハルト『――私とは違う』「お手合わせ、ありがとうございました」 ヴィヴィオ「あの…あのっ!!」「すみません、わたし何か失礼が……?」 アインハルト「いいえ」 ヴィヴィオ「じゃ、じゃあ。あの、わたし……弱すぎました?」 アインハルト「いえ、趣味と遊びの範囲内でしたら十分すぎるほどに。申し訳ありません、私の身勝手です」 ヴィヴィオ「あのっ!すみません…今のスパーが不真面目に感じたなら謝ります!」 「今度はもっと真剣にやります!だからもう一度やらせてもらえませんか? 今日じゃなくてもいいです!明日でも…来週でも!」 ノーヴェ「あー、そんじゃまあ、来週またやっか?今度はスパーじゃなくてちゃんとした練習試合でさ」 ウェンディ「ああ、そりゃいいッスね」 ディエチ「二人の試合、楽しみだ」 リオ「はいっ!」 アインハルト「――わかりました。時間と場所はお任せします」 ヴィヴィオ「ありがとうございます!」 ノーヴェ「悪ィヴィヴィオ。気ぃ悪くしないでやってくれ」 ヴィヴィオ「全然!わたしの方が「ごめんなさい」だから!」 18 48 高町家 ヴィヴィオ「――あの人からしたら、私はレベル低いのに不真面目で、がっかりさせちゃったんだ……私が弱すぎて。 私だってストライクアーツは『趣味と遊び』だけじゃないけど――」 なのは(画像付き通信)「ばんごはんだよ、ヴィヴィオ」 ナノは「ヴィヴィオ、なんか今日は元気ないね?」 ヴィヴィオ「え」「そそ、そんなことないよ?元気元気!ねークリス!」 ナノは「そお?」 ヴィヴィオ「うん、へいき!」『そうだよ』「えと…実はね?新しく出会った人と来週練習試合をするんだ」『おちこんでちゃダメ』 「その事考えててちょっとね」 なのは「じゃあしっかり食べて、練習してうんと頑張らないとね」 ヴィヴィオ「うん」『あの人の、アインハルトさんが求めてるものはわからないけど、精一杯伝えてみよう。 高町ヴィヴィオの本気の気持ちを』 アインハルト「今日はありがとうございました」 ノーヴェ「また明日連絡すっるから」 ギンガ「何か困った事があったら、いつでもあたしたちにね」 ティアナ「じゃあ、車で送ってくるから」 スバル「うん」 スバル「ねーノーヴェ、アインハルトの事も心配だけどさ。ヴィヴィオ、今日の事ショック受けたりしてないかな?」 ノーヴェ「そりゃまあ、多少はしてんだろうけど」さっきメール着てたよ。あたしの修行仲間はやっぱりそんなにヤワじゃねー。 今からもう来週目指して特訓してるってよ』 本当の気持ちが、届くように。
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※キャラ崩壊が多いため、苦手な方は閲覧しないことをおすすめします。 …此処は第97管理外世界に存在する海鳴町沿岸の海水浴場、海水浴客が犇めく其処に一台のワゴン車が辿り着く。 …そしてワゴン車の扉が開き、其処から一人の男が姿を現す、ジェイル・スカリエッティその人である。 リリカルプロファイル外伝 夏休み 「う~んいい天気だ!絶好の海日和だと思わないかね?」 そう言って振り向くと其処にはレザードが眼鏡に手を当て呆れた表情を隠すこと無く面に現していた。 何故彼らが此処に来たのかというと、先日スカリエッティが日ごろの感謝として二泊三日のバカンスを提案 その提案にレザード以外が賛同しウーノの指示の下、手早く準備が始まり現在に至ったのである。 「しかし…随分と変わった格好で……」 「そうかい?」 現在スカリエッティはハイビスカス柄のアロハシャツに短パン、ビーチサンダルを履き麦わら帽子にサングラスといった格好をしており 一方でレザードはいつもの青を基調とした服に黒いマントを羽織っており、海水浴場には似つかわしくない姿は一目瞭然であった。 「ドクター、私達は場所を確保してきます」 「あぁ、頼むよウーノ」 そういって振り返ると其処には紫のトライアングルビキニに腰にパレオを纏い、手にはノートパソコンを携えたウーノと 際どいハイレグカットされた紫のワンピースに、ビーチパラソルを担いだクアットロ、 そして紫に胸元にリボンをあしらったトライアングルビキニ姿のトーレ、更にトーレと同じ形のピンク色の水着姿のセッテが クーラーボックスを携えぞろぞろと砂浜へと向かっていく。 すると今度はライニングボードを持ち上げる形で携えた濃いピンク色の競泳水着のような姿のウェンディと これまた同じく水色の競泳水着のような姿のセインが飛び出してきた。 「行くッスよ、セイン姉!!」 「合点承知!!」 そしてレザードとスカリエッティに軽く挨拶すると矢のように海へと向かう二人、 その二人をあきれた様子でレザードは見つめていると、 腰にフリルが付いた白いワンピース姿のチンクとガジェットIII型を模したビーチボールを携えた 赤いワイヤー型のビキニ姿のノーヴェがチンクの手を引いて姿を現す。 「チンク姉!早くいこ!!」 「少し待て……博士、ドクター、行って参ります」 「あぁ、楽しんでくると良い…」 スカリエッティの応えに一つ礼をすると足早に砂浜へ向かう、どうやらチンク自身も楽しみにしていたようだ。 次に出てきたのは、上は青いタンクトップビキニにジーンズの生地で出来た短パンを履いたオットーと 同じく青いタンクトップビキニに腰にはパレオを巻いたディートが姿を表す。 「どこに行くんだい?」 「………砂浜」 スカリエッティの問い掛けに指を指してオットーは答えると、 気をつけるようにと注意を促しディートは頷いて答えると駆け出す二人。 今度はオレンジのワンピースにパレオを巻いた姿のディエチと 薄紫の水玉模様に胸元にはリボン、腰にはフリルが付いた水着を着るルーテシア、 そして付き添いとしてアギトが姿を表し、アギトの姿が初めて場の空気にあっていると感じるスカリエッティ。 「何処へ行くのかい?」 すると淡々に岩場を指すルーテシア、そしてスカリエッティは足場に気をつけるようにと注意を促すと、護衛がいるから大丈夫だと告げ、 ワゴン車から最後の人物が姿を現す、それは赤フンを纏ったゼストであった。 何故赤フン姿なのかというとゼスト自身が望んだ事なのである。 それは前日の事である、スカリエッティは皆に水着の要望を聞き最後にゼストに聞くと褌と答えた。 するとゼストの答えに悪乗りしたスカリエッティが赤フンを作り上げ渡すと、意気揚々に履き現在に至ったのである。 「…では行ってくる」 ゼストは一言告げるとルーテシアの後をついて行く、 その光景に含み笑いを浮かべるスカリエッティと、頭を押さえ横に振るレザードであった。 …ウーノが獲得した場所は海から程良く近く一望でき、更に人気も少なくまさに穴場といえる場所であった。 そんな場所で黒いTシャツと青い短パンに着替えたレザードがパラソルの下で本を読んでいた。 そして後ろではスカリエッティがウーノと一緒にトロピカルジュースを飲んでおり、 二人から見える位置では荷物を運び終えたトーレとセッテ、更にチンクとノーヴェがビーチバレーで対戦をしていた。 だが戦況はトーレ組が圧倒的であった…… ……反則的なまでに…… 何故ならば、チンクのアタックをライドインパルスで受け止め、セッテのトスに対し、飛行してスパイクを打ち込むのである。 トーレの余りにもの行動にチンクは抗議を唱え始める。 「トーレ姉さん!いくら何でも卑怯だと思います!!」 「甘いな…戦い情けなど必要ない!」 そう断言しチンクを指差すトーレ、だがトーレのそれは周りに人がいないから出来ることであって 他人から見たら瞬間移動や飛行している事自体が卑怯であり、 管理外世界でISを気軽に使うという事は、少なからずトーレも羽目を外している事を指し示していた。 そして少し離れた砂浜ではオットーとディートが砂遊びをしている姿がある。 だが二人が作っている砂の城はディテールに拘っており、細部は楊枝で削って造るほどの拘りようで辺りには人だかりが出来ていた。 そして沖合いではライニングボードを滑走しているウェンディと、水上スキーを楽しんでいるセインの姿があった。 「ヤッホー!次あの波に行くッスよ~!!」 「オッケ~!!」 ウェンディが指さした先にはジャンプするには丁度良い波がうねっており、その波目掛けて大ジャンプ 続けて後方のセインも大ジャンプをして、二人は楽しさの余り笑い合っていた。 ナンバーズの中で一番まともに楽しんでいるのは彼女達なのかもしれない…… 一方、岩場ではルーテシアとこっそり召喚したガリュー、更にディエチとアギトが塩だまりの中を探っていた。 するとルーテシアが何かを見つけたらしくアギトに見せる。 「…………カニ」 ルーテシアは一言口にするとカニをアギトに渡す、するとカニはアギトの二の腕を挟みその痛みに思わず絶叫、ルーテシアの周りを飛び回る。 その頃ディエチは小さなエビや小魚、そしてアメフラシなど見つけ一人楽しんでいた。 ……そしてゼストは腕を組み仁王立ちで岩場の波打ち際のてっぺんでルーテシア達を観察しており、ゼストの後ろでは何度も波飛沫が舞い… ……その佇む姿は様になっていた…… それから暫くして昼食の時間になり、ウーノは連絡を送り皆を集めると 其処にはてんこ盛りの焼きそばが焼きあがっていた、何でもスカリエッティの言い分では浜辺で焼きそばは絶対らしい…… それはさて置き、メンバーはそれぞれ食べる量の焼きそばを盛ると一斉に食べ始める。 その中でオットーの目線が一カ所の方向を指していた、それは海の家である。 その視線に気が付いたディードはウーノの頼み込み小銭をもらうと二人で海の家に向かう。 そして帰ってくるとその手にはかき氷が握られており、 オットーはメロン味、ディードは渋い宇治金時をチョイスしていた。 するとそれを見た他のメンバーがズルいと騒ぎ出し一斉にウーノの下に集まり抗議し その結果、スカリエッティを含めたメンバー全員がかき氷を頼む事となったのであった。 そして午後も日差しが強くパラソルが手放せない中でレザードは一人リラックスチェアーに座り本を読んでいると 本に影が映り目線を上げると其処には髪が濡れて日差しを煌びやかに反射させているチンクの姿があった。 「どうしたのです?チンク」 「博士は楽しまないのですか?」 「……これでも十分楽しんでいるのですがね」 そう言って眼鏡に手を当て不敵な笑みを浮かべるレザード、元々自分はインドアなのでこれで十分に楽しんでいると告げると いきなり右腕を捕まれ椅子から立ち上げさせられると、持っていた本を落とす、 レザードを引っ張り出した正体はスカリエッティで、ズイズイ引きずられ膝のあたりまで浸かると海に突き落とされる。 「やはり、海に来たら海に入らないと意味がないだろう!」 そう言って笑い声を上げるスカリエッティ、それに対しレザードはゆっくりと海から上がりその姿はずぶ濡れ状態で、 スカリエッティは「水も滴る良い男」と言ってレザードを茶化すと レザードは無造作に右手で水をはじきスカリエッティの頭に直撃、その水圧は高くスカリエッティはそのまま沈むと 髪を掻き揚げ眼鏡に手を当て不敵な笑みを浮かべるレザード。 「これであなたも“良い男”ですね」 すると勢い良く水中から姿を現すとお返しとばかりに水をかけ始める。 しかしスカリエッティの攻撃は一切レザードには当たらずレザードは鼻で笑うと それにカチンと来たのスカリエッティはトーレを呼び出し、レザードもまた呼応するようにチンクを呼び出す。 するとトーレはセッテを呼びチンクはノーヴェを、ノーヴェはディエチを呼ぶと セッテはオットーとディードを呼びディエチはルーテシアとアギトを呼びつけ水かけ合戦が開始される。 …いやそれはもう合戦とは呼べない代物となっていた、スカリエッティの攻撃を難なく躱すレザードに対しトーレのライドインパルスでレザードの後ろをとる、 しかし後ろにはチンクが既に存在し水しぶきをあげているとその隙をついてトーレをスープレックスで投げ飛ばすノーヴェ、 だがそのノーヴェもまたセッテに投げ飛ばされるとディエチの正確な水撃に沈むセッテ、 するとディエチの両腕を掴み沈めるオットーとディードに対し今度はルーテシアとアギトが足を掴み沈めるといった状況なのである。 それを沖合いで見つめるウェンディとセイン、何だかんだでみんなも楽しんでいるのかと感じ 岩場の上では未だに波飛沫をバックに仁王立ちで佇むゼストであった。 そして夕食、今日はバーベキューのようでそれぞれが堪能する中 ずぶ濡れになった服を脱ぎ新たなTシャツと短パンに着替えたレザードが椅子に座っていた。 するとレザードの下にスカリエッティが姿を現し、手には二本のグラスと 中に氷が敷き詰められ突き刺さるようにワインが冷やされたバケツが握られていた。 「一杯どうかね?」 「…まぁ、頂きましょう」 そう言うとスカリエッティはバケツを置きグラスと渡すと、バケツからワインを取り出しレザードのグラスに注ぐ レザードもまたワインを受け取りスカリエッティの持つグラスに注ぎ込み、 そして乾杯の音を鳴らすとゆっくりと確かめるようにワインを口にする二人。 「…良いワインですね」 「そうだろう?君といつか飲もうと取って置いたのだよ」 そう言って更にワインを口にするとスカリエッティは上機嫌に話し出す。 今回は皆の英気を養ってもらう為に開催した、そして自分とレザードにもそれは当てはまると饒舌に語る。 「これからのこともあるからね、色々と手伝って欲しい……」 「………まぁ、考えておきましょう」 そう言ってレザードはスカリエッティのグラスにワインを注ぎ足すと、 スカリエッティもまたレザードのグラスを注ぎ足し、二人の時間が続くのであった。 次の日 今日も朝から日差しが強く、朝食を食べ終わったナンバーズ達は準備運動を始め海に飛び込み始める。 一方でスカリエッティは二日酔いでダウン、ウーノが甲斐甲斐しく面倒を見ており、レザードは朝から椅子に座り本を読んでいた。 …レザードは前の世界でよくメルティーナに酒に付き添わされていた為、ワインの2~3本程度なら問題なかったのである。 それから正午を周りウーノと手伝いとしてオットーとディードがカレーを作っている頃 ノーヴェとディエチは海の家付近を通って皆の下へ向かっていた。 すると二人の前に金髪で目つきの悪い男が三人、行く手を塞ぐように現れると二人に声をかける。 「よぉ、姉ちゃん達暇?これから俺達と飯食わねぇ?」 どうやらナンパのようである、だが二人は無視する形でその場を去ろうとすると 一人の男がディエチの手を掴み睨みつけながら怒鳴り散らす。 「てめぇら!無視してんじゃねぇ!!」 男の横柄な態度にディエチは睨みつけると、掴まれた手をひねり返し折ると、続いてノーヴェがハイキックで男の脳を揺さぶる。 自分達の仲間が一瞬にしてやられた事に、怒り心頭といった心境で他の男達が襲いかかるが、 ノーヴェの素早い足払いで二人の男を同時に倒すと踵落としにて男の左足を折り、更にもう一人の顔面を踏み抜いたのである。 「…少し、やりすぎた?」 「大丈夫だって!手加減したしな」 ノーヴェとディエチはまるで何事もなかったかのように先に進みだし、 跡地では男達の阿鼻叫喚な光景の中で彼女達に対する復讐を企むのであった。 そして夜も更け昼間とは異なり辺りに静けさが戻る頃、静寂を切り裂くような轟音がスカリエッティ達が眠るテントの周りで鳴り響く。 その音に目を覚ました一同は次々にテントから出て来ると、 辺りには改造されたバイクが囲うように並び、ライトが眩しく辺りを照らし、人数は50人ほどいる状況であった。 「オラァ!仲間が世話になったようじゃねぇか!!」 どうやら昼間相手をした男達は隣町の暴走族のようで、報復の為に仲間を引き連れて来たようである。 確かに昼間相手をした男達が包帯に巻かれている姿で後部座席に座っている姿があり、辺りは騒然としていた。 「覚悟は出来てんだろうな!!」 バイクの轟音と共に長ともいえる男が息巻いている中、欠伸をしながら頭を掻きけだるそうな姿で出迎える一同。 そのなめきった態度に怒りを露わにすると一斉に鉄パイプやバタフライナイフなどの凶器を持ち出し始める。 するとスカリエッティは顎に手を当て考える、此処で彼らを抹殺するのは容易い… しかし此処は管理外世界、余り派手に動くのは快くない。 取り敢えず…この哀れな子羊達に自分の実力のなさを思い知らせる程度で充分であろう… そう判断するとスカリエッティはナンバーズに命じる。 「死なない程度に遊んであげたまえ」 「了解しました、ドクター」 そう言って一人そそくさとテントの中へ戻ると、外では暴走族達の悲痛な叫びが辺りに木霊し、 それはまさに阿鼻叫喚、地獄絵図ともいえる惨状が展開されていたのであった。 一夜開け、海水浴場付近の道路には破壊されたバイクと共に 誰が誰なのか分からない程までに腫れ上がった顔をした男達が 簀巻きにされ正座で並べられている姿が目撃される事となる。 そして英気を養ったスカリエッティ一同はワゴン車に乗り込み、意気揚々とアジトへの帰路を取るのであった… 目次へ
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ヴィヴィオとなのは ふたりの出会い―― むかし むかし なのは「どこ行ってたの…?心配したんだよ」 ヴィヴィオ「ママいないの……」 なのは「そっか。じゃあ一緒に捜そうか」 花咲く庭で二人は出会った だけど訪れたのは スカ「そうとも彼女こそが!旧きベルカの最強の人間兵器にして最強の戦船の機動鍵。ゆりかごの聖王だよ」 残酷な現実 二人はぶつかって 戦って ヴィヴィオ「ママとずっといっしょにいたい。ママ、助けて……」 なのは「助けるよ――いつだってどんな時だって!!」 伝え合って 抱きしめあって『親子』になって二人の時間は静かに優しく フェイト「流れていってるんだって思ってたんだけど。それがまたなんでこんな事にッ!?」 なのは「あ~え~と…」 大人気連載第二回☆ リリカルマジカル はじまります!! Memory;02☆「昔はいろいろありました」 ヴィヴィオ「いや、あのねフェイトママ。大人変化自体は別に聖王化とかじゃないんだよ」 「魔法や武術の練習はこっちの姿の方が便利だから、きちんと変身できるように練習もしてたの」 「なのはママにも見てもらってもう大丈夫だねって」 なのは「そうなの」 フェイト「でも……」 ヴィヴィオ「んー…」「クリス。変身解除!(モードリリース)」 「なにより変身したって、ヴィヴィオはちゃんとヴィヴィオのまま!」 「ゆりかごもレリックももうないんだし。だから大丈夫。クリスもちゃんとサポートしてくれるって」 フェイト「うん…」 ヴィヴィオ「心配してくれありがとう、フェイトママ。でもヴィヴィオは大丈夫です」 「それにそもそもですね?ママたちだって今のヴィヴィオくらいの頃にはかなりヤンチャしたって聞いてるよ?」 フェイト「そ、それはその」 なのは「あははー」 ヴィヴィオ「そんなわけでヴィヴィオはさっそく魔法の練習に行ってきたいと思います」 なのは「あ、わたしも!」 ヴィヴィオ「いいですか、フェイトママ」 フェイト「はい、気をつけて」 ヴィヴィオ「いってきまーす!」 フェイト「……って事になっててね。本当にびっくりしたんだけど。キャロとエリオは聞いてたりしてた?」 遠距離家族 フェイトさん親子の定時連絡 エリオ「大人モードって単語だけはたまに」 辺境自然保護隊隊員エリオ・モンディアル(14) キャロ「でも、まさか変身制御の事とまでは」 同 キャロ・ル・ルシエ(14) フェイト「やっぱりー?」 キャロ「ヴィヴィオ、魔法も戦技も勉強するのが好きですから、できる事はなんでも試してみたいんですよ」 エリオ「ヴィヴィオはあれでしっかりしてます。心配ないと思いますよ」 フェイト「……うん(ハートマーク)」 フェイト「そっちはどう?お仕事の調子は」 エリオ「今日もホントに平和でしたよ」 キャロ「今やってる希少種観測ももうすぐ一段落ですから、来月にはフェイトさんのところに帰れそうです」 フェイト「ほんと?私も休暇の日程調整してみるね」 エリオ「はい」 キャロ「お買い物行きたいですー♪」 ヴィヴィオ「やっぱりいいなー大人モード♪」「ねークリス♪」 クリス「ぴっ」 ヴィヴィオ「だよね~♪」 なのは「ね、ヴィヴィオ?」 ヴィヴィオ「はい?」 なのは「大人モードはヴィヴィオの魔法で、自分の魔法をどう使うかは自分で決める事なんだけど」 「いくつか約束して欲しいんだ」 ヴィヴィオ「――うん」 なのは「大人モードは魔法や武術の練習や実践のためだけに使うこと。いたずらや遊びで変身したりは絶対にしないこと」 「ママと約束」 ヴィヴィオ「うん、遊びで使ったりは絶対にしません」 なのは「天に誓って?」 ヴィヴィオ「天と星に誓って」 「それに魔法で身長がママよりおっきくなったって、心まで大人になるわけじゃないもん」 「ヴィヴィオはまだまだ子供だから、ちゃんと順番追って大人になってくよ」 「普通に成長してこの姿になった時恥ずかしくないように」 「自分の生まれとなのはママの娘だってことにえへんと胸を張れるように」 なのは「ちょっと生意気!」 ヴィヴィオ「にゃっ!」「にゃー!せっかくイイこと言ったのにー!」 なのは「あはは♪」 市民公園内 公共魔法練習場 ヴィヴィオ「じゃ、基本の身体強化系からね。それから放出制御!」 なのは「クリスの慣らしもあるんだから、いきなり全開にはしないんだよ」 ヴィヴィオ「だーいじょーぶ!」 ヴィヴィオ「帰ったらコロナトリオにメール送って。ノーヴェにも明日からいっぱい一緒に練習しようねって伝えて」 「ああ、それから。またあの子に会いに行こう。わたしの故郷に咲いていた花と綺麗な世界の写真を持って」 同時刻 ナカジマ家 ウェンディ「へーついにヴィヴィオもデバイス持ちっスか」 ディエチ「良かったね今度見せてもらおう」 ゲンヤ「高町嬢ちゃんちの一人娘か。今いくつだっけ?」 ギンガ「10歳ですね。4年生ですよ」 ゲンヤ「もうそんなか。前に見た時は幼稚園児くらいだったと思ったがなぁ」 ディエチ「それ、6課時代じゃない」 ウェンディ「もうだいぶまえっスよ」 チンク「ヴィヴィオの武術師範としてはやはり嬉しいか」 ノーヴェ「え」「別に師匠とかじゃないよ。一緒に練習してるだけ。まだまだ修行中同士練習ペースが合うからさ」 ディエチ「さておかわり欲しい人?」 ウェンディ「はーい!」 ノーヴぇ「あ、おとーさん、ギンガ。あたし明日教会のほうに行ってくるから。 ギンガ「そう」 ゲンヤ「いつものお見舞いか?」 ノーヴェ「ん、そんなとこ」 ウェンディ「じゃ、あたしも行くっス!セイン姉と双子をからかいに!」 チンク「姉も行きたいな、久し振りに」 ノーヴェ「えー!?」 ギンガ「だめよ―あんまり大勢で押しかけちゃ」 ミッドチルダ北部ベルカ自治領 聖王教会本部 セイン「今日もお日様一杯のいい天気だよ。そうそう、午後にはヴィヴィオとノーヴェ達が会いに来てくれるってさ」 「楽しみだねイクス」 それはあの日眠りについたヴィヴィオの大切な友達――